人工知能学会全国大会 (JSAI2018) OS「人とAIが織りなす新たなエコシステム」

【ご案内】

AIが人々の生活の中に浸透するにつれ、そのメリットのみならずリスクも危惧される。身近には、データ処理によるバイアス、職業への影響面が指摘されている。また中長期的には、貨幣経済、資本主義、法制度、倫理観、労働の価値、民主主義などといった社会的枠組みも影響をもたらしうる。特に今後のAIにおいて汎用性、自律性、ネットワーク化が進むことで、様々な変化が加速し、社会や個人がその変化に追随すること事態が困難となりうる。人の能力がAIで拡張されたとしても人とAIが織りなすシステムの全体は大自然の如く複雑広大であり、個人としても人類全体としても、それを完全には理解し把握できない。

こうした背景を踏まえれば、人々が速すぎる変化から守られつつ遍く恩恵を得られ、なおかつ持続可能な形を造り出すためのエコシステムを新たに構築することは急務である思われる。なすべきことは数多いが、例えば、AIは不具合やハッキングを避けなが高度なロバスト性をもたせる必要がある。AIと人間の対話のあり方はいかにあるべきか。さらに技術進展にキャッチアップしたリスク管理や法制度整備をおこなうためにマルチエージェントシミュレーションなどを用いる必要も生ずるだろう。AI自身が持つべき価値観(公平性/公正性を含む)や、AIが占めるべき法的および倫理的な地位(人格)や責任についての研究も必要である。そこで、戸田山和久先生(名古屋大学)に「 われわれはなぜ未来社会を構想することが下手なのか、じゃあどうすればよいのか」についてご講演いただく。

今後多様な懸念事項に対処するには基本的には多面的なアプローチを取らざるを得ない。学術的には、計算機技術のみならず、倫理、哲学、経済、社会、心理、法律、歴史、政治、社会などのさまざまな分野の専門家の声を取り入れてゆくことが有効であろう。さらに、日本のAI学会としては、東洋もしくは日本の価値観を活かしながら世界的なコラボレーションにむけて貢献できるよう、技術的な議論を深める場をつくることは有意義であり。こうした活動を起点として国内の関連した活動を連携させる動きに貢献したい。

(参考: 英国のCentre for the Future of Intelligence

【開催概要】

日時: 2018年06月05日(火)15:10 ~ 19:00

場所: 城山観光ホテル(人工知能学会全国大会内)

鹿児島県鹿児島市新照院町41番1号(天文館からシャトルバスで約10分)

http://www.shiroyama-g.co.jp/access/

JSAI セッションページ:

前半: https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2018/session/1F06-10/tables?iFEwlmzRYA

後半: https://confit.atlas.jp/guide/event/jsai2018/session/1F11-13/tables

【アジェンダ】

趣旨説明 中川裕志 理研 革新知能統合研究センター


 [1F2-OS-5a-01] 人工知能の発展に若者はどう向き合うか?

〇大野 元己1、根本 紘志2、田中 和哉2、鈴木 寛2(1. 慶應義塾大学SFC研究所、2. 東京大学)

〇三宅 智仁1、河合 祐司1、朴 志勲1、島谷 二郎2、高橋 英之2、浅田 稔1(1. 大阪大学大学院工学研究科、2. 大阪大学大学院基礎工学研究科)

〇赤坂 亮太1 (1. 国立研究開発法人産業技術総合研究所)

〇塚原 裕史1、日垣 博考2、大前 学2、大田原 菜々3、稲子 明里3、小林 一郎3(1. 株式会社デンソーアイティーラボラトリ、2. 慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科、3. お茶の水女子大学)

〇Rafal Rzepka1, Da Li1, Kenji Araki1 

Beneficial AI Japanについて

金井良太(アラヤ)

〇山川 宏1,2(1. 株式会社ドワンゴ、2. NPO法人全脳アーキテクチャ・イニシアティブ)

技術・産業・行政を統合した社会構造モデルの提案

〇大澤 正彦1,2、齋藤 和紀3、三宅 陽一郎4、今井 倫太1(1. 慶應義塾大学、2. 日本学術振興会特別研究員(DC1)、3. エクスポネンシャル・ジャパン、4. 株式会社スクウェア・エニックス)

〇高橋 恒一1  (1. 理化学研究所)

【招待講演】

戸田山和久(名古屋大学)

「 われわれはなぜ未来社会を構想することが下手なのか、じゃあどうすればよいのか」

アブストラクト: 幸せな未来社会を構想して、それに向かうためにどのように科学・技術を活かすかを考えることが大事だというのは、ほとんど自明なこととして受け入れ AIの未来について実り豊かな議論をするためには、幸せな未来を考えることがなぜ難しいのかにまで遡って再考することが必要です。それをやってみます。

【オーガナイザ】

 【協賛】 

人工知能学会 汎用人工知能研究会 (Sig-AGI)

以上皆様のご発表/ご参加をお待ちしております。